恐山行バスの同乗者のひとりが、帰りのバスでも青森駅でも一緒になった。互いに明日の旅の予定を話す。僕は駅員から、通過する(途中下車しない)限りは青森から八戸までの青い森鉄道の列車に青春18きっぷで乗れることを確認したので、JR八戸線に乗り継いで終点の久慈まで行くことにした。
彼女はトンネルをくぐって函館へゆくという。「大人の休日倶楽部」(吉永小百合が宣伝)の切符で、新幹線も特急も乗り放題だという。その二日後、宮古で同宿した人からも四日間連続あるいは七日間連続して乗る条件だが、乗り降り自由のお得な切符があると聞いた。
旅の目的や行程によっては青春18きっぷより価格的にも利便性も良い場合があることを知った。青春18きっぷは季節きっぷだが、秋の行楽シーズンには発売されない。今秋は紅葉狩り旅に利用できるお得な切符を探して出かけようと思っている。ネットで探すが、具体的な利用条件や制限事項がもう一つよくわからないので折を見て最寄りの駅や観光案内所で聞いてみよう。▶「秋の乗り放題パス」というきっぷがあった!
「休日お出かけパス」という切符があった。フリーパスエリアという区間に限って、かつ土休日(GW/夏季休暇/年末年始は平日も含む)の一日に限定して乗り降り自由な切符(2720円)である。JR東日本のフリーパス区間はかなり遠方まで設定されているので、日帰り往復の通常料金より安くなる場合がある。
この切符を利用するとお得な日帰り旅の候補地を調べた。JR横須賀線から大船や戸塚、横浜で乗り換えて直行できる駅で、「休日おでかけパス」を使った方がお得な行き先がいくつか見つかった。下記は大船を起点とした場合の候補駅までの往復運賃と片道所要時間である。
- 大月 3388円 2時間10分 (藤野2684円)
- 熊谷 3950円 1時間55分 (大宮2530円)
- 足利 6160円 2時間45分 (小山4620円)
- 奥多摩 3212円 2時間40分 (青梅2530円)
- 寄居 3674円 2時間25分 (越生3388円)
- 土浦 3960円 2時間10分 (我孫子2882円)
- 木更津 4620円 2時間15分 (蘇我3036円)
往復4~5時間の日帰り旅になる。電車での長い移動が苦手な人には向かない。私が青春18きっぷを使った、最長の日帰り旅は、信越本線横川駅だった。一日分だけ残っていたので最終期限日の4/10に釜飯を食べに行った。幸運なことに満開の桜と雪景色に出会えた。往復運賃6820円、乗換1回、片道181km、片道3時間24分。早朝に出かければ10時前に横川に着く。5時間ほどぶらりと歩いて帰ると夕方に着く。帰りの電車の中で撮った写真の整理をしていると退屈もせずあっという間に着く。意外と余裕のあるのんびり旅だった。
「休日おでかけパス」を利用した群馬、埼玉、秩父、奥多摩など関東周辺部の里山歩きの日帰り旅が楽しめそうだ。
230401 初めて「休日おでかけパス」を使って日帰り旅をした。両毛線の栃木駅まで乗り、栃木蔵の街~大平山公園を散策する日帰り旅をした。普通運賃4620円のところを2720円で往復できた。片道2時間を優雅に移動するために800円のグリーン車を利用できることを後で知った。往復グリーン車を利用してもまだおつりがくるほどお得なきっぷだと分かった。
実はこの日早朝4時半に出かけて、青春18きっぷで、東海道本線〜山陽本線もしくは山陰本線の旅にでるつもりだった。駅の券売機でいつものようにピッピッピーとお得な切符購入画面を表示する。ところが「青春18きっぷ」が表示されない。再度試すが同じだ。ちょうど通りかかった若い駅員さんに訊くと「あら?ほんとですね。表示がない!ちょっと調べてきます!」と言い残して駅室に駆け込んだ。先輩駅員に聞いてすぐ分かったのだろう、「分かりました!昨日で販売終了でした」と申し訳なさそうに教えてくれた。
過去何回も購入して知っていたのに、この時ばかりはすっかりして失念していた。間抜けな吾輩だった。スゴスゴ引き返す気もなく、ましてや正規料金で1万円も必要な遠距離の乗り鉄をする気もなく、思わず彼女に「日帰りでもいいが、ほかにお得な切符がないか?」と訊いて教えてくれたのが「休日おでかけパス」だった。
計画していたのは下関まで行って引き返し、中旬頃に福島の一本桜、とくに日本三大古木のひとつ、三春桜見物の旅をしようと大雑把に考えていた。それが初日から頓挫した。例によって当日の宿を予約していなかったのでキャンセルに慌てることもなく実害はなかったが、青春18きっぷを利用した冬の旅に続いて春の旅もできなかったのが悔しい。
三春桜だけでも見に行こうと毎日開花をチェックしていたが、天候不順だったり、韓流ドラマを見てからにしようとか、早朝目覚めが悪かったりとか、宿が望むように取れないとか、あれこれあって日が経ち、結局昨年より10日以上も早く見頃が過ぎてしまった。思い通りにいかないのがこの世の常だと嘆いても仕方がない。
「秋の乗り放題パス」
- 発売期間 :2023 年 9 月 16 日(土)~ 2023 年 10 月 20 日(金)
- 利用期間:2023 年 10 月 7 日(土)~ 2023 年 10 月 22 日(日)
- 有効期間:利用期間のうち、連続する3日
- ねだん おとな 7,850円 こども 3,920円
- 発売箇所 全国のJRの主な駅、JRの旅行センター及び主な旅行会社
先週はじめて下関まで「18きっぷの旅」をした。山陰山陽地区だと一日で行けるのは岡山や鳥取までである。始発で行っても着くのは夕方になる。片道12時間以上かけて移動して二日後に戻らないといけないので、現地で数日旅をしたい人には「秋の乗り放題きっぷ」は使えない。青春18きっぷと同じように不連続で使えると利用者が増えるだろう。
「ときわ路パス」
茨城県内および栃木県東部の観光地を巡る旅におトクなきっぷというが、どこからどこまで巡ればお得になるかを研究する必要がある。
長ったらしい名前で内容も利用条件も分かりにくいが、要約すると「新幹線こまちとはやぶさの自由席に一日間乗り放題一万円」のお得なきっぷだ。仙台、盛岡、秋田、青森辺りに日帰り旅をする時に利用できそうだ。